NAVERまとめの資料

手の内を明かすと、私のNAVERまとめは、いくつかの書籍や映像と、英語版wiki、webに散在するインタビューなどを要約してます。この記事では、それらの資料と、それから気になる資料なども順次紹介してゆきたいと思います。 

 

 まずは、 

ブラック・マシン・ミュージック―ディスコ、ハウス、デトロイト・テクノ

ブラック・マシン・ミュージック―ディスコ、ハウス、デトロイト・テクノ

 

 この本は、ダンスミュージックの歴史を、海外の資料をもとに分かり易くまとめており、これ一冊で、その歴史の全貌をつかむことができます。また同時に、ダンスミュージックがいかに素晴らしい音楽かという実感と勇気を与えてくれる熱い本でもあります。

 

著者の野田努氏は、かつてはクラブ文化を紹介する雑誌「eleking」の編集者、今はドミューンサイトでもおなじみです。特に素晴らしいのはデトロイトテクノの項目で、著者自ら取材して、デトロイトのアーティストから貴重な証言を多数収録しています。その資料の充実ぶりと面白さは他に類を見ません。おかげさまで、NAVERのテクノの項目は本書に頼りっぱなしです。この本の読者に 「テクノの項目、ほとんどこの本の要約じゃねーか!」とおしかりを受けても、仕方ありません。

 

 そして、

パラダイス・ガラージの時代 上巻

パラダイス・ガラージの時代 上巻

 

 

パラダイス・ガラージの時代 下巻

パラダイス・ガラージの時代 下巻

 

この本はディスコの歴史をより詳しく知りたい人向き。また、ゲイカルチャーの詳しい証言があるので、そちらの歴史書としても貴重だと思います。特に、世界大戦中から’60年代までのゲイ達の日常を記した箇所は、ディスコ文化の成立経緯を知る上でためになりました。

 

著者メル・シェレンは、ディスコの重要レーベル「ウェスト・エンド」のオーナーとして有名な人物です。また、パラダイス・ガラージのオーナー、マイケル・ブロディの元カレでもあり、共同出資者でもあります。彼は、ディスコ黎明期から、さまざまな形でその発展に貢献しており、この本は、そんな彼の個人史を書いた本です。 

 

この本は、なにしろ個人史ですので、 ディスコ史上のさまざまな事件を、彼の視点で情感たっぷりに描写しています。こうした描写は、元カレマイケル・ブロディとの確執や、ディスコ排斥運動をアンチゲイ運動であると断ずる辺りに際立っているので、歴史書として読む分には、ある程度の客観性が要求されます。しかしそれでも、ディスコ全盛期を生きた人の生の証言として、それらの記述には充分に価値があると思われます。